Gigamix Online

懐かしの8bitおもちゃPC「MSX」を骨までしゃぶり尽くそう。MSXの最新ニュース、ブログ、自作ソフトの配布など。

MSXパソコンの画面をHDMIでテレビに映せる「FRAMEMEISTER(フレームマイスター)」

【2016.12.13 12:30更新】「フレームマスター」の生産終了が発表されました。欲しい方はお急ぎを!
※当記事のオリジナルは、2014年10月13日 11:00に公開されましたが、ちまちま更新しています。

先月末に遅い夏休みを1日取得できたので、長年放置してあるMSXパソコンをどうにかしようと、納戸から引っ張り出して清掃作業を。

清掃すれば多分動くだろうとは思っていたけど、よくよく考えると、昔のMSXパソコンは今のテレビに映す手段が無いではないか。アナログ端子が廃止され、HDMI業界標準となったからだ。

そんな俺に画期的なハードウェアが発売されていた。

マイコンソフトの「FRAMEMEISTER(フレームマイスター)」

http://www.micomsoft.co.jp/xrgb-mini.htm

20141013_framemeistrer

実はフレームマイスターの公式サイトには「MSX」の文字が何処にも書かれていない。MSXパソコンで利用可能かは分からなかった。たぶん問題ないはずだが、もしかして動作非対応なのか?とも考えた。

悩んだ末、買った。とても良かった。

試行錯誤はしたが結論から言うと、HDMIしか装備されていない昨今のテレビにおいても、昔のMSXパソコン・FS-A1STの画面が高画質で表示できるようになった。

21pinアナログRGB端子で接続すると、ドットが四角く見える!

欲していた画質は、まさにこれ。SCREEN0:WIDTH80がまともに使える環境が欲しかった。画面の遅延は殆ど感じられない。とても満足。

これなら、ゲームはもとより、再びMSXを利用してプログラミングや創作活動することもできるはず(あとは個人の努力次第)。

これを実現するために、アマゾンで「RGBケーブル」も買った。

20141013_rgbcable_1

まさか2014年の今、21pinのRGBケーブルの新品がアマゾンで買えるとは思わなかった。

20141013_rgbcable_2

RGBケーブルは全盛期のものに比べたら細くしなやかに曲がるようになっていた。しかし端子はすべて揃っていた。

RGBケーブルはフレームマイスターへ直接接続できない。フレームマイスター付属の変換コネクタを組み合わせて接続する。

20141013_rgbcable_3

フレームマイスターを買ったからには、RGB接続が正義である。S端子では価値が半減、もったいないよ。未だにこのようなニッチなソリューションを市場に提供していただけることに感謝し、大切に使ってゆきたい。

フレームマイスター側の設定

  • 画質モード…標準モード
  • HDMI出力モード…1080_60p

テレビ側の設定

  • 機種名…東芝REGZA 40J7
  • 画面入力モード…HDMI
  • 映像メニュー…ゲーム
  • コンテンツモード…ノーマル
電波新聞社 FRAMEMEISTER DP3913515

電波新聞社 FRAMEMEISTER DP3913515

 
MSX2,MSX2+用 RGB21ピン接続ケーブル

MSX2,MSX2+用 RGB21ピン接続ケーブル

 

事の顛末

ブログの最終執筆日は、2007年1月。いま現在、2014年10月。その間、子供が生まれ、いわゆる子育て世代の一員となり、家庭の事情で殆ど何も手つかず。

そもそもブログの書き方を忘れた。かつてMSXでプログラミングした知識もほとんど忘れた。2011年3月11日、東日本大震災が発生した。レトロPCコレクションの一部が破損した。家が震災で傾き、転居を余儀なくされた。引越の際に荷物は減らしたが、レトロPCが入った段ボール箱はつい最近まで開封すらしなかった。

日本ではテレビの規格が変わった。いわゆる「地デジ化」に伴い、テレビ受像機の物理的交換作業が全国的に行われた。世界的には、DMCAAACSが規定され、映像信号のデジタル化が進む一方でアナログ信号の端子は排除されることとなった。

「2014年以降はD端子への出力を全面禁止」,次世代光ディスクの著作権保護方式が固まる【訂正あり】
(日経テクノロジーオンライン, 2005年12月20日)

アナログで出力できる機器が減るのだから、それに対応する入力側の機器も減って当然である。斯くして、昭和の映像端子は、2014年においては「コストカット」の対象となった。ビデオ入力端子・S端子D端子コンポーネント端子・アナログRGB…旧来のアナログ端子は家電から次々と姿を消し、HDMIへ集約された。今や家庭用のテレビはHDMIしか装備されないケースも現れつつある。

そしてMSXである。MSXで採用された映像出力端子は、すべてアナログ出力であった。RF、コンポジッドS端子、21pinアナログRGB。どれも2014年現在では「死んだ」端子となった。唯一コンポジットについては普及率の高さゆえに未だ手厚いサポートがある状態だが、まぁ映るだけましの最低画質。さらに1chipMSXですら映像出力はVGA(D-sub 15pinアナログRGB)であり、昨今のテレビでは映せない状況になっていた。

清掃作業は頓挫した。掃除した昔のMSXパソコンを動作確認したくとも、テレビに映せない。

そんな中、「FRAMEMEISTER(フレームマイスター)」が発売された。発売元がマイコンソフトだから、「分かっている」人が開発しているハードウェアなことは分かっていた。勿論、買った。

しかし、当初、アナログRGBでは映らなかった。

21pinRGBケーブルは2本所有していたが、どちらも音声は流れるが映像はまったく映らなかった。

どこかが断線、っぽいが、ケーブルの断線を修理できるスキルは持ち合わせていないし、フレームマイスターの設定にミスがあるのかもしれない。

仕方が無いのでS端子で接続したら、映像が出力された!

うちのFS-A1STは正常動作していることが判明し、とりあえずはホッとした。

恐らく殆どの方は、この画質が確保できたら十分実用的と感じるだろうとは思う。しかしこれはS端子が装備されているFS-A1WSX、FS-A1ST、FS-A1GT、1chipMSXの4機種だけが受けられる恩恵であり、それ以外の機種ではコンポジット端子で接続することになる。

コンポジットではご覧の有様である。昭和の先人はこの画質でゲームはおろかプログラミングも行っていたようだが、今は2014年である。この画質ではフレームマイスターを利用する意味が無いのではないだろうか。コンポジットをアップスキャンするだけなら他の安いコンバータが幾らでも存在する。

補足すると、V9938以降のVDPに追加された「AVコントロール機能」によって画面の左右と上下が微妙に揺れることで、ヤマハ製VDPにありがちな色のにじみが消え、コンポジット出力で画質が向上する。PCエンジンのような画面出力に近いかもしれない。ただしこれはMSX2以降のMSX BASIC上でしか設定できないので、プログラミングする際におすすめ。ROMカートリッジのゲームを遊ぶ等の用途には適用できない。

その後、RGBケーブルを買い直し、接続したら綺麗な映像が映し出された。

「フレームマイスター」の生産終了が発表されました

【2016.12.01 18:00更新】「フレームマスター」の生産終了が発表されました。欲しい方はお急ぎを!

参考文献

 

MSXパソコンの画面をHDMIでテレビに映せる「FRAMEMEISTER(フレームマイスター)」 - Gigamix Online

レトロゲーム機の映像を最近のテレビで美しく映せる便利グッズ。生産中止が決定したので欲しい人はお早めに!

2016/12/09 11:41

MSXパソコンの画面をHDMIでテレビに映せる「FRAMEMEISTER(フレームマイスター)」: GIGAMIX NEWS HEADLINE

7年ぶりのブログ。21pinアナログRGBは正義!もの凄く今更で恐縮ですがこの記事は移転しました。→http://gigamix.hatenablog.com/entry/2014/10/13/110000

2014/10/13 15:05