Gigamix Online

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SCC音源が使えるMSX用サウンドドライバとSCC-I対応状況のまとめ

2022年9月27日現在。随時更新中。情報が分かり次第、追加してゆきます。

更新情報

スナッチャー付属カートリッジ

SCC-Iとは

 コナミスナッチャー」「SDスナッチャー」の付属カートリッジに搭載されたSCC音源チップの名称です。これはコナミのその他のMSX用ゲームカートリッジに内蔵されていたSCCとは少し違います。

www.msx.org

 SCC-IはSCCと互換性がある「互換モード」に加え、全5音それぞれ異なる波形を指定できる独自のモード(ここでは「拡張モード」と呼びます)が存在します。通常のSCC(互換モード)はch4とch5が同じ波形で発声されるので、拡張モードでは互換モードよりも音の表現力が拡大します

 SCC-Iは「SCCI」「SCC+」「K052539」「2312P001」と呼ばれることもあります。なんと呼ぶのか正しいのか、私には分かりかねます。ICの表面に「SCC-I」と刻印されていますので、ここでは「SCC-I」と呼びます。

 ちなみに通常のSCCは「K051649」と呼ばれることもあります。

この記事の趣旨

 これまで「SCCに対応する」と言うと「SCCとSCC-Iのどちらでも再生できる=互換モードのデータを作成する」「互換モードで発声する」ことを意味していました。

 しかし昨今、SCC-Iの拡張モードを用いて楽曲を作りたいというニーズが現れ始めました。SCC-Iを搭載した製品である「スナッチャー」「SDスナッチャー」の入手は2021年現在極めて困難であることに対し、互換品・相当品の入手は比較的容易になっています。今ではパソコンのソフトウェアで完全にエミュレーションすることも可能なため、むしろ1990年代の頃より2021年のほうがSCC-Iに対する敷居が低くなっている感すらあります。

 ところが各種サウンドドライバでのSCC-I拡張モードの対応状況をMSXのコミュニティにて探すも、拡張モードに限った情報は極めて少なく全貌が把握できないため、それらを2021年の基準で確認することにしました。

 また、ついでに、初代MSX(MSX1)の規格で動作の可否が判明しているものに関しては記述しています。

【おことわり】SCC音源に対応しないドライバは今回調査の対象外なため取り上げません。予めご了承ください。

SCCの仕様(解析資料)

 裕之さんのドキュメントが詳しいです。→ http://d4.princess.ne.jp/msx/scc/

SCC-I音源に対応するMSXサウンドドライバ一覧

ADX Player

== ADX Player  ========= v3.0 == ADXP Ver3.0 プレーヤーをMRCから、リリースしました。‼️ ダウンロードは、https://t.co/zfYhW0578Z ニュース https://t.co/EhIEMAsX4K ============================ — Mstz80ax (@mstz80ax) 2022年8月15日
今バージョンから、SCC音源対応。 添付ファイルに曲集も付いているのでお楽しみに。 SCC音源についてはSCC+のみの対応ですが、 ROMのSCC音源を改造して使う人がいるらしいので、 後に対応させたいとも思います。 — Mstz80ax (@mstz80ax) 2022年8月15日

 OPLL×2(ステレオ)・PSG×2(ダブルPSG可)・PCMが利用可能。2022年現在MSX史上最も高機能と思われるミュージックドライバが、ついにSCC-Iに対応。

Realfun 3

Singing voices on SCC in Realfun 3 https://t.co/qJsUHz6kGe @YouTubeより SCCが歌っとる。。🤩#MSX — ぴろやん (@piroyan) 2022年1月22日

 MSX turbo RならびにV9990の外付けカートリッジが必要のようでハードウェア要件が高めですが、出てくる音は驚異的ですね!

SCC音源に対応するMSXサウンドドライバ一覧

サウンド

MuSICA

今確認してみたらch5の音色変更は不可でした。MuSICAはサウンドカードリッジ専用ですがそれをSCC+としては使ってないようです。今まで知りませんでした — ハルマッキン (@Harumakkin) 2020年12月20日
勤労5号ではチャンネルミュートをしても同じ音色だったため、コンパイルの時点で同じになってるようです。 — 大槻真嗣(@s_ohtsuki) 2021年1月13日

 ちなみにMuSICAエディタは公式見解ではないものの環境を構築すればMSX1でも動作します(RAMが32KiB以上必要)。

こちらをどうぞー MUSICAをMSX1で動かそう https://t.co/GaZVoFDPOl — うにスキー (@uniskie) 2021年1月20日
おお、MuSICAがMSX1で動きました!DOS1とNextorのどちらでもいける。ESC→DELキーでMSX2以降の80文字モードに切り替えようとすると画面が崩れるもののフリーズはしない安心設計(!?)。VDPの特性に特化しなければ他の過去資産もMSX1で使えそうですね。コンパイル後のBGMデータの再生環境が課題かも。 pic.twitter.com/d5frqP98XN — Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2021年1月23日

 環境の構築方法は、TINY野郎さんのページに記載されています。→ http://www.tiny-yarou.com/msxmusica.html

MGSDRV

  • 作者:Ain.さん/Gigamix
  • SCC拡張モード:非対応
  • 対応音源:OPLL・PSG・SCC
  • 対応ハードウェア:MSX2以上のMSX-DOS2 ※公式見解
  • 公式サイト:https://www.gigamix.jp/mgsdrv/

MGSDRVは5チャンネルの音色を別に指定できなくなっています。4/5どちらのチャンネルで音色を設定しても4チャンネル側にしか設定されません。SCCIの初期化の際にはSCC互換に設定しているので当然無問題ですが、せっかくのSCCIがSCC互換でしか動いてないのがもったいないという話です。 — ごりぽん (@goripon_tw) 2020年9月24日

 ちなみにMGSDRVは環境を構築すればMSX1でも動作します

gigamix.hatenablog.com

MPK(Music Player K-kaz system)

MPK v.1.06 ・SCCチャネル4, 5音色指定モードの話は説明書には見かけず ・演奏情報の仕様にはSCC45V SCC音源チャンネル4, 5の音色番号 というワークがある ・動作上は、SCCチャネル4, 5に対する音色指定は共通(後着優先でどちらのチャネルにも適用される)に見える ・なのでたぶん音色指定は共通 — gomhi/ごーみ (@gomhi) 2021年1月23日

 ちなみにMPKは公式見解ではないもののMSX1でも動作するそうです(RAMが32KiB以上必要)。

おまけでもう1つ。MPKの動作環境はMSX2以上・VRAM 128kB以上となっているけど、ドライバ本体はページ1にRAMがあればMSX1でも動く模様。自分はRAM 32kBのPIONEER PX-7でSNATCHERサウンドカートリッジのRAMをページ1に出してMPK曲データを鳴らしています。再生できる機種が多いのはありがたいです。 — gomhi/ごーみ (@gomhi) 2021年1月23日

APiDRV

SCMD

  • 作者:めがさん
  • SCC拡張モード:不明
  • 対応音源:OPLL・PSG・SCC(2つまで)・MSX-Audio
  • 対応ハードウェア:MSX turbo R(ver.2)
  • 公式サイト:https://cpu.8bitsize.com/3mhz/

SCC Blaffer (NT)

SCC-Musixx

Super Music Editor

TriloTracker

If you or other Japanese music friends have any questions, I will be happy to help you out. — John Hassink (@John_Hassink) 2021年1月13日

MSXplug/MSXplay

MSXplugは内部的にはSCC+が接続されています。オプションの「Standard/Enhanced」はSCCカートリッジの種別選択ではなく、SCC+を「互換モード/拡張モード」に強制固定する機能です。「拡張モード」にした場合、MGSDRVは互換モード用なので音が鳴りません。 https://t.co/jBdpBaPFdB pic.twitter.com/qqD9SZWoId — DSA (@ym2413) 2021年1月11日