【2024.01.26更新】OKEIさんのWebサイト閉鎖(予告)に伴い「Multi Menteパッチ」を転載しました。
【2024.01.26更新】MSX-DOS2とNextorのFAT16対応パッチを両方適用すると不具合が発生する旨を追記しました。
【2022.05.23更新】漢字フォントが文字化けする(blueMSX)を追記しました。
【2021.11.11更新】過去に配布されていたMMのソースコードをもとに、現在の開発環境でのリビルドに成功しました。
【2021.04.18更新】ANKフォントの適用方法を追記しました。
【2021.3.9更新】OKEIさん提供の「Multi Menteパッチ」が更新されましたので追記しました。
【2021.2.20更新】最新版(ver.2.07)の配布を開始しました。また、MMのソースコードを発掘し、調査中です。
言わずと知れた、MSXフリーク必携の多機能ファイラー(ファイルマネージャー)アプリ。
- ダウンロード
- Multi Menteの配布条件
- 連絡先
- OKEIさんの「Multi Menteパッチ」の適用について
- 【熟練者のみ】ふってぃさんの「Multi Menteパッチ」の適用について
- 確認済みの不具合および仕様
- 2000年以降の年表示が崩れる(2000年問題)
- FAT16のストレージへアクセスできない
- FAT16のストレージへアクセスできない(MSX-DOS2)
- FAT16のストレージへアクセスするとハングアップする(FAT16パッチ適用済のMSX-DOS2)
- ソート結果が書き込めない(Nextor)
- ファイル・ディレクトリが存在しないドライブで、何らかのファイルが存在しているように見える(Nextor)
- ファイル数・ディレクトリ数が112個収容されたフロッピーディスクドライブで、ファイル数や容量が正しく表示できない
- 認識できるファイル・ディレクトリ数が255の制限がある
- ANKフォントが文字化けする
- 漢字フォントが文字化けする(blueMSX)
- MGSDRV形式データの再生時にタイトルが正常に表示されない
- MSXViewフォントによる文字表示で、JIS第2水準の文字に対応していない
- 環境変数 DATE に対応していない(隠し機能)
- あとがき
ダウンロード
ソフト名 | MM version 2.07K |
---|---|
概要 | Multi Mente の略であり、DISK上にある様々なファイルを快適に操作出来るように作られたツールです。 |
対応OS | MSX-DOS2/Nextor |
作者 | MOGU |
リソース |
再配布版 MM207_K.LZH 2021.02.20, 41526 Bytes 再配布版 MM207_K.ZIP 2021.02.20, 40869 Bytes |
Multi Menteの最新版は「ver.2.07(テストバージョン)」です。正式配布版(安定版)は、以下の ver.2.03 です。
ソフト名 | MM version 2.03K |
---|---|
概要 | Multi Mente の略であり、DISK上にある様々なファイルを快適に操作出来るように作られたツールです。 |
対応OS | MSX-DOS2/Nextor |
作者 | MOGU |
リソース |
原版 MM203_K.PMA 1995.02.14, 25228 Bytes 再圧縮版 MM203_K.LZH 2021.02.04, 21913 Bytes 再圧縮版 MM203_K.ZIP 2021.02.04, 21751 Bytes |
Multi Menteの配布条件
当クラブで配布する各種アーカイブの転載、配布は自由に行なって構いませんが、アーカイブの内容は変更しないでください。
不明な点があれば、下記WEBページ、またはメールアドレスまでお問い合わせください。
過去に流通したMulti MenteのLZHアーカイブに作者MOGUさんに関する住所などの個人情報を記載したドキュメントファイルが含まれていましたが、2021年2月現在これらはアクセス不能となっておりますので、当サイトで配布するアーカイブではドキュメントを修正させていただきました。よろしくお願いします。
連絡先
MSX Club Gigamix
Website https://www.gigamix.jp/
Twitter @nf_ban (Takashi Kobayashi)
Bluesky @nf-ban.gigamix.jp
Mastodon @nf_ban@mstdn.jp
E-mail nf_ban@gigamix.jp (Takashi Kobayashi)
OKEIさんの「Multi Menteパッチ」の適用について
OKEIさんのMulti Menteパッチとは、MM.COMの指定されたアドレスのプログラムデータを直接書き換えることでプログラムの不具合を修正するデータ集です。
OKEIさんのWebサイト → http://www.ucatv.ne.jp/~kmizuo/
パッチを適用する(=プログラムデータを直接書き換える)ためには主に「バイナリエディタ」と呼ばれる編集用アプリケーションが必要になります。バイナリエディタは多種多様なものであふれていますが、私(nf_ban)は以下のアプリケーションを利用しています。
- MSX実機:SHEM → http://sakuramail.net/fswold/tool.html
- Windows PC:Stirling → https://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se079072.html
OKEIさんのMulti Menteパッチで指定されているアドレスはMSX実機向けの「SHEM」で編集する際に用いるアドレスです。そのため、OKEIさんが指示するパッチのアドレスは編集上の先頭アドレスが0100hになっていることに注意してください。先頭アドレスが0100hになっているのはMSX-DOSの仕様によるものです。Windows PC等のバイナリエディタでは一般的に0000hが先頭アドレスになるので、OKEIさんが指示するアドレスから 100h 引かないと正しいアドレスになりません。
パッチ①2000年問題(Y2K)対応
言わずとしれた、Multi Menteの2000年問題を解消するパッチです。
バージョン | アドレス | 内訳 |
---|---|---|
ver.2.07_K | 0DC6h | C6 38 → C6 2E |
ver.2.07_A | 0D88h | C6 38 → C6 2E |
【注意】 2000年問題のパッチは2000~2099年まで有効。2100~2199年は C6 2E を C6 24 にしてください。
パッチ②Nextor FAT16対応パッチ
Nextorは、最大2GBytesもの容量を持つFAT16のストレージに標準対応する、MSX-DOS2の上位互換OSです。一方で、Multi Menteは素の状態ではFAT16のストレージに非対応です。
このパッチは、Nextor環境下においてFAT16のデバイスだけシステムコールを使ってディレクトリを取得するパッチです。FAT12は従来通りセクターリードでディレクトリを取得します。
修正箇所は2つあります。
バージョン | アドレス | 内訳 |
---|---|---|
ver.2.07_K | 3E0Ah | 3A E1 5F → 3A FB 5F |
^ | 3E0Dh | CB 4F → 3D 00 |
ver.2.07_A | 3D58h | 3A E1 5F → 3A FB 5F |
^ | 3D5Bh | CB 4F → 3D 00 |
【注意】 このパッチをあてるとMegaSCSI等のCDエクステンションが使えなくなります。
パッチ③MSX-DOS2 FAT16対応パッチ
MSX-DOS2環境下のMulti MenteでFAT16のストレージへ対応するためのパッチです。
なお、MSX-DOS2でFAT16のストレージへ対応するためには、Multi Menteだけでなく、MSX-DOS2本体(COMMAND2.COM)にもFAT16対応パッチを適用する必要があります。詳細は→ http://www.ucatv.ne.jp/~kmizuo/fat16/down.html
バージョン | アドレス | 内訳 |
---|---|---|
ver.2.07_K | 3E0Fh | CA FC 3E → C3 FC 3E |
ver.2.07_A | 3D5Dh | CA 4A 3E → C3 4A 3E |
【注意】Nextor環境下ではこのパッチを適用しないでください。
【熟練者のみ】ふってぃさんの「Multi Menteパッチ」の適用について
FS-A1GTにはMSXViewのフォントROMが内蔵されていましたが、FS-A1STは内蔵されていないもののROMを後付けできるような基板構成になっていました。難度の高い改造作業かつMMにパッチを当てることで、Viewフォントの表示が可能なようです。
確認済みの不具合および仕様
以下に挙げるいくつかの不具合は前述OKEIさん提供の「Multi Menteパッチ」を当てることで回避できます。OKEIさんありがとうございます!!
2000年以降の年表示が崩れる(2000年問題)
MMは画面右上に現在の日時が表示されていますが、2000年以降の年表示が崩れる不具合があります(ファイル管理には影響がありません)。パッチを当てることで回避できます。
FAT16のストレージへアクセスできない
Multi Menteは素の状態ではFAT16のストレージを認識できません。前述のFAT16対応パッチを適用してみてください。
FAT16対応パッチはNextor用・MSX-DOS2用の2種類がありますので、ご利用環境に応じてパッチを変えてください。Nextor用とDOS2用の両方を適用すると動作不良になりますのでお止めください。
FAT16のストレージへアクセスできない(MSX-DOS2)
MSX-DOS2環境にて対応できる最大ストレージ容量はFAT12の上限である32MBytesです。32MBを超えるFAT16のストレージは本来であれば認識できませんが、DOS2用FAT16.COM(OKEIさん提供のアプリ)とパッチの併用で回避できる、はずなのですが…。
FAT16のストレージへアクセスするとハングアップする(FAT16パッチ適用済のMSX-DOS2)
FAT16パッチ適用済みのDOS2においてもFAT16のストレージ参照時にハングアップするようです。DOS2のFAT16パッチ適用+Multi MenteのFAT16パッチ適用でMulti Menteを動作させている人を見たことがありません。1chipMSXでは実は昔からMulti Menteが使えなかったんでしょうか?
ソート結果が書き込めない(Nextor)
Multi Menteには、ファイルの並び順を自由に入れ替えて保存できるという「ソート結果の書き込み機能」があるのですが、Nextor環境下ではFAT16のストレージに対してはソート書き込みができません(無視される)。FAT12のストレージは書き込めます。
なお、MSX-DOS2用とNextor用のFAT16対応パッチを両方適用している場合はFAT12・FAT16を問わずソート結果が書き込めません(無視される)。
ファイル・ディレクトリが存在しないドライブで、何らかのファイルが存在しているように見える(Nextor)
空のドライブなのに、一手前に読み込んだディレクトリ情報が反映されてファイルが存在しているように見えるバグがあります。
ファイル数・ディレクトリ数が112個収容されたフロッピーディスクドライブで、ファイル数や容量が正しく表示できない
格納できるファイル数の上限が112である2DDフロッピーディスクと112を超える大容量ストレージドライブを併用すると、フロッピーディスク側のドライブが正常に表示できなくなります。フロッピーディスクを一度取り出して再読み込みすると正常に戻ります。Nextor・DOS2のどちらでも発生します。
FDD側のファイル数が112未満なら問題は発生しません。111なら正常動作。
Rookie Drive NXはWindows PC向けのUSB FDDをMSXのストレージドライブとして利用できるカートリッジです。2DDのほか2HDにも対応することが大きな特長ですが、2HDの場合は最大ファイル数が224になります。2HDではどのような動きになるのか…?
Rookie Drive NXのWebサイトはこちら → https://rookiedrive.com/en/
認識できるファイル・ディレクトリ数が255の制限がある
1ディレクトリに255以上のファイル・ディレクトリが存在すると256番目以降を認識できません。
ANKフォントが文字化けする
ゆうくんさんのサイトによると、スロット0にプライマリのマッパメモリが存在するとANKフォントの表示が崩れるようです。applesorceさんのMSX2(FS-A1F)は改造によってスロット0に512KBytesのマッパーRAMを搭載したはず…。外部ANKフォントの設定によって文字化けの不具合を回避できます。→ http://miyako.asablo.jp/blog/2017/01/08/8311605
すぐに使えるANKフォントデータはMSX Resource Centerにて配布しているようです。→ https://www.msx.org/
ANKフォントデータの作り方は、以下のブログに書きました。なお、生成したフォントデータをMMで利用するにはMM用に加工する必要があります。
漢字フォントが文字化けする(blueMSX)
blueMSXのMSXturboRモードはデフォルトでMSXViewのフォントデータが存在しないのにハードウェア上はスロットに接続された状態で起動する仕様なので、MM.CFGで「KANJIF」に「1(Viewフォントを使用する) 」に設定するとMultiMenteで漢字だけ表示できない現象が発生します。
blueMSXでは、MM.CFGの「KANJIF」に「0(ゼロ。内部フォント=標準漢字ROMを使用)」を設定することで回避できます。
解説すると、これはMM側のバグではなく、blueMSX側の不備であるために発生します。通常であればViewフォントが存在しない環境では標準漢字ROMを用いる表示処理に自動で切り替わるのですが、blueMSXではViewフォントが存在する環境(ただしフォントデータは存在しない)ですので、標準漢字ROMを用いずに存在しないViewフォントデータを利用しようとして漢字表示に失敗してしまいます。
しかもblueMSXの場合「内蔵Viewフォント」のスロットはスロット1・2より若いので、外付けのMSXView漢字ROMカートリッジを接続しても内蔵フォントが先に存在を判定されてしまいますので、この不具合はハードウェア的に回避できません。
MSXPLAYerやopenMSX等他のエミュレータでは正常に動作します。
MGSDRV形式データの再生時にタイトルが正常に表示されない
MGSC(MSXplay)によるMMLのコンパイル時、タイトル欄( #title {"<文字列>"})にTABコード(09h)を入力した状態でMGSDRV形式データ(拡張子 .MGS)を生成すると、MMではTABコード以降の文字列が表示できません。
MSXViewフォントによる文字表示で、JIS第2水準の文字に対応していない
MMが対応しているMSXViewの付属カートリッジ(およびFS-A1GT内蔵品)の12×8pxフォントはJIS第二水準の文字データが存在しませんでした。のちにJIS第二水準のフォントデータに対応する拡張仕様がA to Cさんにより提唱され、「要町 as MSX-View」「k12x8hsn」といったMSXView互換ROMイメージが開発されました。
MMではJIS第1水準の文字のみ対応しており、第2水準の文字はMSX標準漢字ROMのフォントデータが使用されています(第2水準の標準漢字ROMも存在しない場合はいわゆる「豆腐」が表示されます)。不具合というよりはMMの開発当時は拡張仕様が存在しなかったのでやむなし、ということです。
環境変数 DATE に対応していない(隠し機能)
MSX-DOS2/Nextorの環境変数 DATE に「DD.MM.YY」というような文字を代入すると過去のMMではその旨反映されたようです。この機能はマニュアルには記載されていない隠し機能なため、一旦保留とさせていただきます。
ちなみに、環境変数 TIME に「12」を代入すると午前・午後の12時間表記に変更されます。
あとがき
配布条件の確認の経緯
MMの配布条件は「同梱ファイルの内容を改変する事なく配布することによってのみ転載可(アーカイバの圧縮方式変更は可)」「転載先等を事後報告可」になっていますが、MMの最新版(ver.2.07)はテストバージョンであるので転載・配布は一切厳禁と指定されていました。
正式公開版(ver.2.03)は「テストバージョンである」「転載・配布は一切厳禁」の文言が記載されていないため転載・配布は可能なようですので、当初はver.2.03を配布していまました。残念ながら機能低下は致し方なし…
ですがその後、2001年頃に私(nf_ban)が作者のMOGUさんからアーカイブの転載許諾を得ていたことが判明しました(ド忘れしていました)。
MMのソースコードが発掘され、再構築(リビルド)に成功しました
2010年頃にMOGUさん自身がMMのソースコードを限定的に配布していたことも判明しました。このソースコードは当方でも入手し、2021年現在の開発環境でリビルドすることに成功しました。
2021年2月に試行錯誤していた様子はこちら
2021年現在の開発環境でビルドできた暁には、作者のMOGUさんへ事後報告させていただきたいです。しかし何処へ…もしこれを見ていたらご連絡をお待ちしております。→ https://twitter.com/nf_ban or nf_ban@gigamix.jp
派生版もあります
MSXのストレージドライブにSDカードを採用する2000年頃より、MSX-DOS2(FAT12)で管理できる最大容量の32MBをはるかに凌ぐ容量のストレージが市場に出回りました。また、FAT16に対応するNextor DOSの開発およびSDカードスロット搭載の「多機能カートリッジ」が多数発売されたため、2021年現在ではFAT16に対応するよう改造されたMMが流通するようになりました。私が知っているものは、以下のものです。
- Sunrise CF ATA-IDEの付属ディスク同梱版…DOS2用。2000年問題修正、環境変数DATE対応 とのこと
- MegaFlashROM SCC+SD 同梱版…DOS2・Nextor両対応、FAT16対応・2000年問題修正、英語版
- MSX Resource Center https://www.msx.org/ で公開された謎のMM…バージョンは「ver.2.07K+(プラス)」。DOS2・Nextor両対応、FAT16対応、2000年問題修正
出処不明で動作が無保証ですが、神経質でない人なら便利かもしれません。
DOS2・FAT16パッチの備忘録
私は、実はDOS2環境でFAT16環境を構築できた実績がありません。何を実行すると正解なのかがよく分かってないからです。そんな状況において、DOS2のFAT16ストレージをMMで認識させる手順はちょっと分かりません。
以下、私が試した結果を記します。
- FAT16パッチ(FAT16.COM)は、Nextor環境ではインストールできません(元々FAT16に対応しているのでパッチが不要)。
- MultiMenteパッチはMM ver.2.03には適用できません。ver.2.07専用です。
- Nextor用のMultiMenteパッチは、DOS2では効果がありません。
- COMMAND2.COMのdirコマンドをFAT16に対応させる「PATCHCOM」というパッチも存在しますが、Nextor環境(COMMAND2.COM ver.2.44)ではインストールできません。
- 1chipMSXのCD-ROMに付属されていたMSX-DOS2はFAT16パッチ適用済みのものであるようです。
詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。