随時更新中。CompactFlashをストレージドライブに使えたり、1つのカートリッジにFM音源・SCC音源など複数の機能を集約できたり…と令和のMSXシーンで大変便利に使える多機能カートリッジ。ただ、現状は情報が少なく、不具合なのか仕様なのかはたまた使い方が悪かったのかの切り分けが難しい上級者向けアイテムとなっています。
私自身、失敗を繰り返しながら解決できた事例がありますので、FAQのような感じでまとめていきたいと思います。
Carnivore2の開発元:RBSCのWebサイトはこちら → https://rbsc.su/
- ファームウェア・各種FlashROM(Nextor、FMPAC BIOS等)を再インストール及び更新したい
- OPLLのリズム音の音量が半分のまま出力されている
- Nextor BASICはMSX-DOS2(Disk BASIC ver.2)利用時よりBASICフリーエリアが減る
- FS-4600F(MSX2, RAM 128KB)で使うケース
- 解決した案件
- 審議案件(原因特定が難しいもの)
ファームウェア・各種FlashROM(Nextor、FMPAC BIOS等)を再インストール及び更新したい
別記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。
OPLLのリズム音の音量が半分のまま出力されている
うにスキーさんの指摘。とは言え、Githubの該当Pull Request を眺めると修正するとコンパイルエラーが出る等、苦戦している模様。ぜひ反映されて欲しいです…。
Nextor BASICはMSX-DOS2(Disk BASIC ver.2)利用時よりBASICフリーエリアが減る
Carnivore2(Nextor BASIC v2.10)利用時は25063バイト。
FS-4600F(MSX2, RAM 128KB)で使うケース
メモリ増設しないとMMが起動しない
FS-4600FもPHC-23Jと同じ現象で、Carnivore2とメモリ増設カートリッジを併用しないとMMが起動しない。
MSX2ではスロット1またはスロット2にマッパRAMが搭載された状態(つまりユーザーが増設した状態)でなければMMが起動しない状況のようだ。FS-4600FはRAMが128KB(マッパーRAM対応)という 珍しい機種ではあるが、現状、Carnivore2搭載のメモリや本体マッパRAMだけでは動かない、ということ。
この件もPHC-23同様にいつの間にか増設カートリッジを用いなくても起動するようになっていると思います。ファームウェアver2.40・ブートメニューv2.40にしたからなのか?ブートメニューのConfig→Dual-reset on cold bootをYesにしたからなのか…?
漢字ROMが無効化される
MSX2ではソフトリセットすると漢字ROMが認識されなくなるバグがある様子。このバグが発生したMSX2で漢字ROMの認識を復活させるDOSアプリが存在するので、それで対処。「FIXTOUFU.COM」という凄いネーミング!俺にとっては便利すぎるアプリなんだけど、いったい誰が作成したんだろう…?
解決した案件
【解決】SCCではなくSCC-I(「スナッチャー」「SDスナッチャー」付属サウンドカートリッジ)の互換品として動かしたいが動かない!?
結論から言うと、動かせるようです。
Carnivore2 User Guideの「Notes for SCC+ mode」項を参照。C2MANで専用のプリセットを登録するそうです。
【解決】MSXViewのROMイメージ(とその互換ROMイメージ)をCarnivore2に割り付けても認識されない
MSXViewの漢字ROMカートリッジを吸い出したROMイメージファイルや「要町 as MSX-View」等の互換ROMイメージをCarnivore2に割り付けてもカートリッジが有効化されない現象を確認。調査の結果、Carnivore2のメンテナンスツール「C2MAN」でそのままROMイメージを登録しただけでは有効になりません。
原因は、メガROMタイプが「ASCII 8K」のROMイメージで、ページ2(8000h)以降へのバンク切替が必要なソフトウェアは初期設定のままではCarnivore2で利用できない仕様というものでした。
解決法は以下の通りです。
- Carnivore2のメンテナンスツール「C2MAN」でMSXView互換ROMイメージを割り付ける際、メガROMタイプが自動判定されませんので「ASCII 8K」を選択して割付を行う。
- 「C2MAN」のMain Menu→「3 - Browse/edit cartridge's directory」で指定のROMイメージに対して【E】キーを押して編集画面へ行く
- Inital bank number valueの4つのパラメータ(デフォルトでは 00,01,02,03で設定されている箇所)を00で4つ書き換える
- セーブすれば完了
なお、MSXViewのフォントと互換性のある「要町 as MSX-View」や各種フォントのROMイメージも同様の対策が必要です。私は「k12x8」というMSXView互換ROMイメージの利用でこの問題に遭遇しました。
ゲーム用途ではほとんどページ1しか使用しないため、このような不具合は極めてレアケースとのことです。Carnivore2のROMイメージ割付機能は基本的にゲームソフトの起動を手軽に行うために用いるもので、今回のようにROMイメージを割り付けたままNextorを起動することを想定していません。
MSXViewのROMイメージを利用することで、DOS2/Nextorの各種アプリで日本語表示環境が充実するものの、Carnivore2の内蔵SCC機能が失われるデメリットがありますのでご注意ください。割り付けるROMイメージのスロットと内蔵SCC機能のスロットがかぶっているためです。
MSXViewフォントの互換ROMイメージついては、以下のブログ記事をご覧ください。
【解決】PHC-23J(MSX2)でCarnivore2を使う場合、Carnivore2以外のマッパーRAMを増設しないとMMが起動しない
PHC-23+Carnivore2でNextor動いた!FDD無いからFDDの初期化があるA1STよりブートが速いww しかしMMがフリーズ。HALNOTEを外しているので日本語表示部分が豆腐になってるのは意図的だけど、なぜMMが動かない?🤔 pic.twitter.com/OMvEN02Dmx
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年7月11日
MSX2のPHC-23Jで同じことをやるとMaster deviceは認識できる。が、MMが起動しない。MSXViewカートリッジが認識されていないっぽいからCFカードが認識できるの!?しかしMMが起動できない件はきっと別問題だ(Viewカートリッジがあっても無くても起動しない)。なんだこれ!?🥴 pic.twitter.com/fW2Txtoq8O
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年9月27日
PHC-23Jでは、Carnivore2とメモリ増設カートリッジを併用しないとMMが起動しない。現状、Carnivore2搭載のメモリだけでは動かない、ということ。原因は今のところ不明。ビンゴです!PHC-23にCarnivore2と4MB拡張RAM(ナイスメモリ!うっかりくんという凄いネーミング)をスロットに組み込むと、MMが動きました!メモリ無しだと容量チェック時にフリーズするように見えます。ただ、Carnivore2は1MBの拡張RAMを積んでる体なので、それが効いていない?のかもしれません。 pic.twitter.com/4Um2i4aIlD
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年7月12日
…ところが、いつの間にか増設カートリッジを用いなくても起動するようになっていました。ファームウェアver2.40・ブートメニューv2.40にしたからなのか?ブートメニューのConfig→Dual-reset on cold bootをYesにしたからなのか…?MSXViewのROMイメージはInital bank number valueを00hで4つ書き換えればMMに対応するので、フリーフォントの「要町」をMSXView互換のメガROM形式に変換した「要町 as MSX-View」https://t.co/whrinveGrE も同じ手法でCarnivore2で利用できる!漢字ROMが搭載されないMSX2でもMMで漢字表示!お得!! pic.twitter.com/dGTMu51kO5
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年11月11日
【解決】実機用メンテナンスツール(C2MAN)でファームウェア更新を行うとNextorが起動しなくなる!?【危険】
またヘルペス発症である。最近身体の具合が悪いことばかりだ。今日はゆっくりのんびり休むことにした。悪いことは重なる。Carnivore2のファームウェアを実機でアップデートしたらブートメニューは変わったけどNextorが起動しなくなった。つらい。とりあえず今は寝る… pic.twitter.com/uBzVzKzDAP
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年9月29日
調査の結果、そもそもメンテナンスツール「C2MAN」でCarnivore2のファームウェアを更新することは出来なかった。それなのにファームウェアを含むFlashROMを全消しするという暴挙を実行してしまったため、Carnivore2の全機能が失われるという失態を呼んでしまった。我ながら酷い話である。
Carnivore2 ファームウェアの復旧および最新版への更新方法については別のエントリーに記しています。
https://gigamix.hatenablog.com/entry/carnivore2-recoverygigamix.hatenablog.com
審議案件(原因特定が難しいもの)
FS-A1STでCarnivore2とMSXView 漢字ROMカートリッジが併用できない!?(要調査)
Carnivore2とMSXView漢字ROMカートリッジをFS-A1STで併用しようと思ったら、IDEのMaster deviceが一瞬検知するけどけっきょく検知失敗してCFカードへアクセスできなくなる件(FDD起動に戻る)。スロットを逆にしても同じ症状。MSXViewのカートリッジを抜くとデバイスが復活する。なんでそうなるの?🤔 pic.twitter.com/rtxNrVstTj
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年9月26日
多分Carnivore2が電気を食いすぎなんでしょう特にCFカード分が。電気食いすぎで電圧降下起こして不安定になってるとかかなと。
— ごりぽん (@goripon_tw) 2020年9月27日
MSX本体も経年劣化で電源ヘタって来てるでしょうしね…。 https://t.co/2neNBpolW4
俺が長年使用していたA1STが、経年劣化で電源不良説が濃厚。他の機種では現れない現象かもしれない。コンデンサを替えて再検証が必要。電源ですね…
— applesorce (@applesorce) 2020年9月27日
Carnivore2で使用したFAT16のCFカードがFAT16化したMegaSCSIで認識できない!?(要調査)
FAT12環境(DOS2)とFAT16環境(Nextor)の違い…これはCarnivore2の問題というよりはMegaSCSIの問題かもしれません。
MegaSCSIのSRAMディスクに配置するMSX-DOS2ならびにCOMMAND2を1chipMSXに付属していたFAT16対応のものに差し替えても、Carnivore2で使用していた512MB(=FAT16)のCFカードがSCSI経由から読めなかった。自分でOKEIさんのFAT16パッチを当てても改善しなかった。Carnivore2のCF(FAT16 128MB)とMegaSCSIのSD(FAT12 32MB)とで相互にファイルコピーするのは正常動作してるっぽいから、SCSI側がFAT16でマウントさえできれば大丈夫なんだろうけど。まぁそれそこが課題だなぁ。 pic.twitter.com/P9WHD6ceFO
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2020年6月21日
MegaSCSIのFAT16化については明確なドキュメントが存在しておらず、それでも適用できる人は皆熟練者なので手順や解説が無くても環境を構築できるしWebへ記録を残す必要も無い(からWebでドキュメントが見つからない)ものと思われる。MegaSCSIユーザーが今は圧倒的に少ないのも原因。似非シリーズを2021年の今から手を出すならMegaFlashSCC+SDや似非SDiskから入ったほうが圧倒的に早道だ。
MegaSCSIのカーネルがNextor(=FAT16対応)にならない限りはMegaSCSIでFAT16アクセスは難しいだろう。MegaSCSIはFAT12環境のまま利用し続けるのが今の所のベスト、と判断。