去る2026年1月11日(日曜日)、東京・北千住のシアター1010にて開催された「冬休みドット大作戦」というピクセルアート界隈の展示即売会に当クラブGigamixとして2日目に初出展したところあまりにも自分らが異世界すぎて思考が追いつかなかったので、忘れないうちに書き留めておこうと思いました。
↓ 冬休みドット大作戦の公式サイトはこちら ↓ dot-daisakusen.com
まずははじめましての皆さまに自己紹介させていただきます。
当クラブ「Gigamix(ギガミックス)」は、いわゆるレトロPC界隈(ハードウェアカテゴリはMSX)に属している同人サークルです。「MSX」という8bitホビーパソコンの国際規格で国内・海外の家電メーカーによって1983年から1991年頃まで450万台くらい発売されていて、未だ世界中に居るユーザーコミュニティが主な活動拠点です。
当クラブはMSXパソコンで動作するゲームソフトやデジタルコンテンツを制作しています。この記事の筆者・ニューファンキー小林(nf_ban)は主にグラフィックス担当で、今回の出展では売ってないけど売り子していた者です。
後述しますが、今回はブース設営に非常に多くの時間を要したため他の出展者さんの作品をほぼ全て見られませんでしたし交流もほとんどできませんでした。この記事はあくまで自分のブース運営に関する語りでしか書いていません。個人的には終わってみたら凄く楽しかったし、知見や学びがありました。こういう機会に参加できてとても良かったと思っています。
↓ もしよければ当クラブの公式サイトも… ↓ www.gigamix.jp
サークル出展の経緯
- 筆者・nf_banが個人的に興味あった「SHIBUYA PIXEL ART 2024」というドット絵コンテストに対し、話のネタ目的でMSXの「DD倶楽部」というドローイングツールで描いた16色のドット絵で応募してみたらまさか入選してしまい、セレモニーにも参加してピクセルアート界隈という存在を知る
- レトロPC界隈は40代~60代の男性が9割以上でエンジニア職に就いている人が多いコミュニティであることに対してピクセルアート界隈は10代~30代といったアートに興味がある若者が中心かつ女性も多数活躍しているコミュニティであり、世代間ギャップ(=話が合わない)があることは想像に難くない
- レトロPCとピクセルアートは基礎が似ているから、自分らは毛色は違うかもしれないけどやりようによっては話が合うかもしれないという予想があったので、玉砕は覚悟のうえで勢いで出展エントリーを行った
- レトロPC界隈のイベントには何度か出展経験はあるがピクセルアートのイベントは初めてで、本来は物販が中心のイベントであったが自分はグッズを作るためのノウハウが一切無いため、今回は展示のみの出展で様子を見ることにした
- とは言え自分の現在の手駒でお客さんに受けそうなものが全く分からず、とりあえず昔のドット絵制作現場を現物で再現して未体験を感じられる構成で企画した
本来の出展内容
「冬休みドット大作戦」の出展ブースは、概ねドット絵を用いたアート作品(ピクセルアート)を手に取れる形で販売する形態を取っています。「デザインフェスタ」や「ハンドメイドマルシェ」といったハンドメイド系の即売会イベントに近いものです。
とは言え、自作ゲームソフトの体験や電子工作の作品を展示・販売するブースもあり、すべての出展がアナログ的なものではありません。あくまで「ドット絵」を使った表現が主体、というわけです。
当クラブの出展内容
各種グッズの用意ができず物販は一切なく、展示のみとなりました。
ブース全体。MSXの第2世代「MSX2」である三洋電機のPHC-23Jと三洋電機のテレビデオというサンヨー合わせ(誰も気付いてくれない)。ブース面積が長机の半分だけだったのでドンキの圧縮陳列みたいになってしまいました。
- 「POPCOM(ポプコム)創刊号」1983年、小学館。NEC PC-8801によるドット絵。小学館のマンガ・アニメキャラクターを用いた版権CGばかり!
- 「コンピュータ・グラフィック」1984年、リブリオ出版。NEC PC-6001によるドット絵アートのプログラムリストを掲載
- 「MSXマガジン」1985年・86年、アスキー。大野一興先生の表紙ドット絵が現代でも通用する圧倒的なクオリティなのでみんなに知らせたくて
- 「マイコンBASICマガジン」 1990年、電波新聞社。単に自分の投稿プログラムが掲載されていたのでついうっかり
- 「ほほ梅麿のCG描き方入門」1992年、徳間書店インターメディア。ゲームメーカーのグラフィッカーによるドット絵ツールの操作方法と技法の入門書
- 「MSX・FAN」1994年・95年、徳間書店インターメディア。自分の投稿ドット絵が掲載されているだけでなくほかのCG作家さんの作品も観られる
- 「NAPLPS入門」1994年、海文堂出版。通信による画像の送受信を前提とした「NAPLPS(ナプルプス)」と呼ばれる画像規格の解説とCG作品
- 「まぐろのすべて」1995年、ソフトバンク。通信による画像の送受信を前提とした「MAG(マグ)フォーマット」と呼ばれる画像規格の解説とCG作品
- 「アーケードゲーム・タイポグラフィ」2022年、グラフィック社。1970年代~90年代のアーケードゲームで使用されたフォントを蒐集
- 「MSX BASICでゲームを作ろう」2025年、技術評論社。去年発売されたMSXのプログラミング解説書!Windows用のMSXエミュレータが付録
本当は画像規格によってドット絵の作画法・技法が変わっていたことを歴史としてアピールしたかったのですが、そんな時間余裕はありませんでした。NAPLPSとMAGは登場時期が10年くらいずれていて、本当に全然違う。油絵とコピックくらい違う。深堀りできたら次回にチャレンジ。
「ラップスキャン」体験コーナー。下絵も何枚か用意しましたが、これは見た目と解説だけでお客さんは圧倒されてしまい体験までは至らなかったですね。
出展してみた結果と知見
実物を持ってきてなぜか喜ばれた
やはり実機というリアルの凄み。ブラウン管テレビとMSXをブースに置いたときの違和感が凄い。遠目で見ると、自分のブースの展示だけ異様に体積が大きいです。
特に、出展者(クリエイター)の皆さんがなぜか凄い食い入りよう。今はドット1個でも正方形が見える環境ですが、ブラウン管だと常にぼやけているのが逆にかっこいい!!らしい。VJや動画制作している人がレトロ風のフィルターを使用しているけど実物を見たことは無いらしく前々から気にはなっていた様子で、デフォルトぼやけ状態のリアルブラウン管に大興奮。
今後の創作活動に活かしたいということでブラウン管をスマホで接写して粒子を確認する人も現れました。スマホカメラを覗き込むと走査線の縞模様が流れたりしますよね…あれも凄いかっこいいらしいです。
慣れない設営中、筆者のテレビ操作ミスでMSXの画面モードからテレビモードに切り替わったときにテレビ映像なんてもちろん映らないので砂嵐が出てしまいました。事前設営を済ませていた出展者さん達が俺の作業を後方で見ていて、これが砂嵐なのか!!初めて砂嵐を見た!!とリアル砂嵐に大興奮です。純粋に皆さんニッコニコで喜ばれていました。
レトロPC紳士淑女の皆様、にわかに信じがたい光景ですがこれが現実です。全く想定していない、まさかの反響です。1日目のお客さんがはけたあとの事前搬入の段階でこの様相で、俺は明日大丈夫なんだろうか(単に家にあるブツを持ち込んだだけで感謝されていいのだろうか)…と本気で心配になりました。
で、蓋を開けてみたら翌日の反応のほうがはるかに大きかったのです。売り物が無いのにお客さんとの会話が全然途切れなくて、ほぼ喋りっぱなしでした。昼ご飯抜きでした。
実物持参で一番良かったことは、MSXでは定番のドローイングソフト「グラフサウルス」のパッケージ一式を持参していたので、グラフサウルスのマニュアルが有効活用されたことです。操作方法が分からないのでマニュアルを眺めながらMSXの実機で果敢にドット絵制作にいそしむ姿がそこに…
お客さんがMSXの実機で悪戦苦闘しながらドット絵を描いている様子を、その後方で他のお客さん達が不思議そうに見ているわけです。一種のライブパフォーマンスになっていました。
1時間以上かかっていたように見えますが、出来上がりの作品が素晴らしい!!古いパソコンに触っていただき、本当にありがとうございました。
なお今回の体験で作成したMSXのドット絵データはPNG形式画像へ変換してお返ししました。スマホの画面で見えている絵とブラウン管での絵が全然違う!という思い出作りもできるようにしました。
グラフサウルス、復刻入手できるようにならないかな~。ダウンロード販売とか、メガROM化とか、Nintendo SwitchのEGGコンソールに入らないかな~(無茶要望
新旧は問わない。けど…
筆者はどうみても50代おっさんなのでグッズ作っても俺だからブースを通り過ぎるしおっさんの脳でひねり出した絵やグッズは売れないだろうと最初から決め込んでいました。だけど…欲しいと思った人はそうは思っていない。自分の感性に刺さったり共感できれば誰の作品でも欲しいみたいです。
来場される皆さんは作家さんのタレント(絵柄・構図・センス・色調など)が重要で、作家さんから出力されたもの(画像・グッズ・ブラウン管の画面)が好きポイントに引っかかればブツの新旧はさほど重視されないようです。
自分がMSXで制作した過去作品を見せてみたり、試しに刷ってみたMSXの絵のポストカード(試作品)をお見せしたら「グッズが売ってたら欲しかった」と男女問わず言ってくれた人の多さに驚きました(マジで!?)。その言葉だけでも本当に感謝しています。ちなみに左のドット絵は1994年に、右のドット絵は2023年に描いたものです。
「この名刺の右側は去年(2025年)に描いたんですが実は1985年製のMSXでも表示できる内容になっています」とお客さんに説明したあとブラウン管テレビでMSXの画像を表示すると皆さん驚かれました。このリアクションが嬉しい!
一応MSX0 Stackを持参していたのですが、ドット絵を見せられる準備が整わなかったのが悔やまれる。5×5cm四方のデバイスでSCREEN3程度のドット絵(64×48px)がちょこちょこ動く様子を見せたら、また違った反応があったのかもしれませんね。
ドット絵制作ってやってることは今(スマホ・PC)も昔(MSX)も本質はそんなに変わらないけど今のほうが環境が快適だからわざわざ古いほうへやることは沼だから絶対にオススメしないという自虐的な説明をしていました。これも受けが良かったです。
「それでも昔のレギュレーションに興味があって沼に片足突っ込んでみたくなったら100回に1回くらいでいいから1回描いてみて(おっさんアカウントからのいいねが沢山付きます)」的な提案はしました。名刺をお渡しするとき「MSXの名前だけは覚えて帰ってください」と言いながら。
とは言えレトロPCクラスタの皆さんが本当に注意しなければならないのは、ドット絵を使っているこの界隈は似ているようで実は全く違う志向ということです。
MSXならでは…の提案にしたところでお客さんがハードウェアの知識を知らないと正当に評価できないので、そこはフックじゃないです。でも今回名刺に混ぜたドット絵と同じものがブラウン管で展示されていると興味が出てくる様子…あくまで作家性志向の世界であり、MSXは単なる画材なだけです。レトロPC系イベントで展示の中心となるハードウェア志向・テクノロジー志向のノリだとダメそうです。
主体は、作家さんのピクセルアート作品を展示する場です。俺はたまたま昔からMSXでドット絵を描いていて今でもブツを所有している人間だからなんとなくそれっぽくまとまっただけだと思っています。
ブラウン管テレビを今から欲しい人達が居る?
会場の展示者さんとの会話で、ブラウン管テレビが欲しいけど手に入らないという話がぽつぽつ出ました。ブラウン管のような表現を目指している作家さんには意外と実物が興味あるっぽい。ヤフオク・メルカリにも並んでるけど売り主の梱包内容やブツの発送・受け取りが怖い、なにより本当に通電したら映るのかネットの情報だけでは分からない(騙されるのではないか)、クルマの運転免許は持ってないし引き取りにも行けない…と。
ただ…製品としてウン十年経過しているので経年劣化で部品が故障することもあるし、煙や出火のリスクも想定しながら使うことにもなるので…創作の応援はしたいけどエンジニアリングの知識は多少は必要かなーと思っています。その経験をどこで積むかは別の問題ですが。
アナログ志向が進んでいる?
ピクセルアートのイベントなのですが物販がメイン。ポストカードやアクスタは当然あるとしてアイロンビーズや水墨画・掛け軸など手に取れるグッズを作る作家さんが本当に多いし、それを求めているお客さんも多かったです。
ドット絵だけどアナログ感…そのギャップを求めている人が居る…ブラウン管テレビに惹かれる若者の意識もそこに通じているのかもしれませんね。
課題
ニ度とこうはなるまいという思いを込めて…ここから先は自分への戒めとして残すものです。これ以降は読まなくても大丈夫です。
そもそも準備の取り掛かりが遅かった件
出展エントリーは去年の夏頃だったのに開催2週間前まで出展準備を何もしていない状態でした。詳細は省きますが適応障害によって何も考えられなくなる体調不良が今でも続いていて、心療内科で定期カウンセリングを受けています。
なので企画を検討することはおろかドット絵の作品を作ることすらままならず、毎週水曜日22時開催の「#10分ドット」という32×32pxの絵を10分で描くハッシュタグをこなすだけで創作活動は精一杯という状態が続いています。締切が近づくにつれて企画が出来上がってきたのでそれ以降は少しずつ手が進むようになりました。
模索するなかでMSX BASICで体験用のドット絵ツールを作り始めたりしていました。
けっきょく当日までには間に合わなかったので未完成版をお客さんへ見せたりはしていたんですが…なんか面白いという反応はいただいたので今後につながりそうです。模索してみようと思います。
そんなわけで創作意欲が出る・出ないの差がまだまだ激しく、体調の復調が依然道半ばであることが分かりました。つらい。
過去の作品が紛失していた件
筆者は徳間書店インターメディア刊の月刊誌「MSX・FAN」のドット絵投稿コーナー「ほほ梅麿のCGコンテスト」へ何度となく投稿し、そのうちのいくつかは採用(誌面掲載)になりました。CGコンテストは掲載作品の中で優秀作品に選ばれると雑誌付録のフロッピーディスクに自分の画像データが収録される特典がありました。当時はインターネットが無かったので、アマチュアクリエイターの発表の場は極めて限定的で、月1回の刊行でしたが雑誌投稿は当時定番の発表の場でした。
ですが、その頃に作成したデータ群がごっそり見つかりませんでした(GigamixのMSX用ゲーム制作で使用した素材CGは残っているのですが)。バックアップに失敗したのか、クラウド上でうっかり削除してしまったのか、現在も保存してあるフロッピーディスクやMOからまだ取り出していなかったのか…いずれにせよ展示メインの企画で自分の作品が展示できないという失態に気づいたのは開催目前でした。
「MSX・FAN」の優秀作品で選ばれた自分の作品は付録ディスクから自分の画像データを取り出すことができたのですが、誌面には掲載されたけど優秀作品に選ばれなかったためにフロッピーディスクには収録されなかった作品は結局見つかりませんでした。また、投稿したもののボツになった作品群も見つかりませんでした。
企画立案が遅かったために何もかも遅れて進まないという悪循環。
グッズを売らないと立ち寄ってくれない件
今回はグッズを作って売るだけの準備が全くできなかったので展示のみ。しかしお客さんの大半はグッズ目的でした。特に女性のお客さんはほぼグッズ購入目的。たまたまマルイで開催されてたからと言ってついでについふらっと立ち寄るようなお客さん(年齢が近い人)は多少居るかと思ったらほぼ居ない。
グッズのやりとりで交流が始めるようです。買っても買わなくても会話の終わりに名刺を差し出す…ようなことをしないと名刺を配る(知ってもらう)ことはできないのでしょうね。
ポストカードは定番のグッズなので自宅のプリンタで試し刷りしてはみたのですが…光沢紙を使っているけど色がくすむ感じに仕上がって、こんなんでいいのかなぁという思いが…。
で、印刷業者へ依頼する前に業者さんに近い形でブツを見られるローソンシールプリントでポストカードを作ってみたところ、
上が自宅のインクジェットプリンタ(Brother MFC-J6583CDN)、下がローソンのシールプリントです。発色性が違う。自宅のプリンタはやはり粗い。
ローソンシールは発色性が良く光沢感があって感じはいいけど自分にとっては派手めな色で仕上がるという。実物を見ないと伝わりませんがもう少し色が抑えられて欲しい(タイルパターンのグラデーションがもっと見えて欲しい)という思いが…。でもオンライン入稿は基本的に色校できない(業者にお任せ or しない)のでどんな色で仕上がるか分からないままグッズ作るのは…と悩むようになってしまい、ポストカードすら作れない精神状態に。
でも…印刷物ってデータは同じなのに気温と湿度でインクの乗り具合が変わるので色も変わるなんて日常茶飯事なんです(オフセット印刷の話)。昨日と今日とで色が違ったりする。印刷会社を変えても色が変わる。ブラウン管テレビだってメーカーや新機種ごとに画面比率が違うし色も違うし見える範囲も違うんでした。だから出来上がりの色を気にしても仕方がないようにも思えてきました。
いやぁ…難しいですね、グッズ作るのって。乗り越えなければならない課題です。
ブースの机が思ってたより狭い件
出展者さんがSNSで上げてる各種設営完了報告の写真でブースの机の大きさをなんとなく想像しながら荷支度していましたが…実際は机は全然小さかった。ブラウン管テレビと実機の専有面積があんなに大きいとは思いませんでした。展示物のレイアウト、ケーブル取り回し、バックヤード(裏でWindows PCとモバイルWi-Fiルータを稼働していました)の位置を試行錯誤しながらちょこちょこ変えたり…本当に大変でした。
なので、自分のブース設営に相当時間を費やしてしまいました。そのため、事前設営後の歓談会(会食)に参加できず、ほかの出展者さんのブースを見回ったり挨拶したりグッズを買うこともできませんでした。正確な寸法を把握して設営前にシミュレーションすべきでした。
これ…なんか思い出すんだよな…かつて秋葉原の地下フロアでMSXのイベントに出展したときに、半畳のゴザを引いてあるスペースに30cmくらいのちゃぶ台一つ用意されて「えぇぇ…」と絶句するなか、結局なんやかんかやるんだけど基調講演は別のフロアなのでその時はお客さんは一切入ってこないうえに公演内容を聞くこともできないという「出展者は参加者にはなれない」あの状況を。
持参したネタの多くは前日搬入のときに持ち帰りました。ドット絵・CGに関する書籍の点数は残しつつ、ドット絵に長けたMSXのレトロゲームソフトを最低限に減らしました。ですが画面に映っていたのはグラフサウルスばかりだったのでレトロゲームはほぼ不要でした。
次回出展があればもっとネタを削減しないといけません。
ブラウン管テレビが重かった件
14インチだったし過去のイベント出展では普通に持ち込んでいたし…と軽く考えていましたが、今回は「テレビデオ」だったことを忘れていました。そう、ビデオデッキ部分の部品が追加されているので重いのです。
もしビデオデッキ部分がない普通のテレビが14インチくらいでものが良いブツが放出されたら…こういうイベント出展の機材としてたぶん2台目として買うと思います。ソニーのトリニトロン管の出物をなにとぞ…
ちなみに14インチのテレビというものは当時ポピュラーな画面寸法でした。今回の企画にラップスキャン体験を行ったのですが、14インチの画面寸法は実は紙のA4判(297mm×210mm)とほぼ同じですので、A4の紙で下絵を描くとだいたい全画面のCGが作れる…というノウハウがありました。
ブラウン管テレビを会場でWindowsPCのセカンドディスプレイにできなかった件
お客さんが居ない間に流そうと思っていた自作のドット絵やMSX用コンテンツを自動的に切り替えて表示するデジタルサイネージのようなプログラムシステムを作ることができなかったので、ブラウン管テレビの映像出力の賑やかしとしてWindowsPCのセカンドディスプレイとして#冬休みドット大作戦のXのツイートをブラウン管テレビで流して、お茶を濁そうと考えていました。
Amazonで購入したHDMI→コンポジット変換器での接続テスト、自宅では完了していたのですが会場でセカンドディスプレイが設定できないトラブルが発生しました。1日目の事前搬入の際も2日目も開場時間まで試行錯誤をしていましたが結局改善できなくて、中止しました。
前日も当日も試行錯誤していたので出展者さんのブースを見て回ったり会話することができなかったことが、本当に痛恨の極みです。
ブラウン管テレビのモスキート音が気になる件
50代のおっさんだと聞こえにくくなるブラウン管テレビのチリチリした音(モスキート音)、うちの息子たちに聞いたら気になることは多少あると言っていたので、展示物からモスキート音が出ていたら人によっては不快になってブースまで来てもらえなくなる可能性は十分考えられます。よく分かりませんが念のため…
↓ モスキート音の測定テストはこちら ↓ www.sainokuni-rionet.jp
TMS9918の存在を忘れていた件
「皆さんが作ったドット絵をMSXの実機で映します」という企画で、出展者さんから「過去にTMS9918の制限に合わせたドット絵を作ったから実機で見たい」という話がありました。まさか24bitカラーの作品で溢れるあの場で横8px2色縛りの絵を描いている人が居たのか、と本当に驚きました。その可能性が完全に頭から抜け落ちていました。
なのに筆者が持参したMSXが三洋のPHC-23J(Wavy23)…つまりMSX2なのでした。MSXは世代によってデフォルトカラーバレットの色味が違います。第1世代のMSX1(TMS9918)と第2世代のMSX2(V9938)で微妙に色が違うんです。こんなんピクセルアート界隈では分からない知識だと思うんです。
↓ 色の違いについて詳しくはこちら ↓ www.purose.net
現地でデータを受け取って変換してはみたのですが、作家さんが想定した色で映せなくて申し訳ない気持ちになりました。喜んでくださりましたけども。普段から絵を描いている人が自分の作品の色が意図しない形で変わるのって…神経使うと思うんですよね。
なぜ持参したのがPHC-23Jだったかというと、DMシステム2上で動作する自作アプリがSCREEN5採用だからMSX1では動作しないのでCF-2000もCX5は真っ先に除外、FS-A1STがベストだったけどキーボード故障で操作できないので除外、FS-4600Fはプリンタが内蔵されていて単純に重いので除外。
もし今後もこの企画をやるのであれば、MSX1とMSX2以降の2台持参しないといけません。カシオのPV-7みたいなものを用意しないと、重いぞ。
みんなストレージデバイス持ってない件
「皆さんが作ったドット絵をMSXの実機で映します」という企画を急遽やることにしたことで勃発。個人間のデータ受け渡しはAirDropやLINEに貼り付けなどストレージデバイスを一切使わない勢力(若者) vs SDカードやUSBメモリのようなブツで交換するおっさん勢で意見が合わなかったです。完全にスマホ&インターネット経由が前提で、USBを使うどころか一度も買ったことすら無い人が居る世の中になっているとは…。ちなみに筆者はASUSのAndroidスマホ信者なのでAirDropは使えません。
要因としてはもちろんインターネットの普及率が参加者のほぼ100%ということに加え…
- 今のスマホ(日本人の6割はiPhone)はSDカードは入らないしUSBメモリは当然付けられない
- スマホのカメラ機能を使うからデジカメは持っていない
- スマホのバックアップはクラウド上でやるからストレージデバイスを買う必然性が無い
- 学校や職場で使うパソコンがセキュリティ強化の理由でストレージデバイス使用禁止の設定になっているからストレージデバイスの知識も経験もない
…などいくらでも考えられます。ニンテンドー3DSやNintendo SwitchではSDカードを使えたはずなのに…
今回の解決法としては、SNSのダイレクトメール経由にしたことでデータ受け渡し可能になりました。
詳しく聞かなかったけど…もしかするとPCに興味が無かったりPCを所有していなかったりする人も多く居るのかもしれません。大学のレポートもスマホで書くの?(それは凄い)
でもまぁよくよく考えるとストレージデバイスって昔からPCで扱うことが前提のブツです。PCを使わないのであればストレージデバイスは不要なのです。
PCの概念が無い人にとっては自分のブースに置いた1985年製のパソコンのことなど置いたところで意味が分からないから興味なしでうちのブースの展示もスルーだったのかもしれない…という可能性が。
カセットテープ→フロッピーディスク→ハードディスク→MO→DVDなど数々のデバイスを経由したうえで現在日常的にSDカードやUSBメモリを利用するレトロPC界隈側の人間からしたらこれは本当に怖いです。データ交換の価値観が合わなすぎる。
お客さんのボリュームゾーン(大学生~20代後半)よりさらに下であるうちの息子にもクラスのお友達に聞いてみてもらうことにしました。ただ…PCでDiscodeサーバに繋いでフレンドとボイチャしながらマイクラで一緒に遊ぶようなスキルを持つ人はクラスで自分だけだしAndroidを使ってるのも自分だけ、とは言っていました。
今後のMSX活動にも影響があるんじゃないか説
これはMSXというレトロPCクラスタに居る人間だから思えることなので杞憂だといいんですが…
USBメモリやSDカードと言ったストレージデバイスを持っていない=持つ必要が無い=スマホがストレージデバイスという若い世代に、いま進んでいる各種次世代MSXプロジェクトのブツ(例えばMSX0 StackやMSX2++)に触れてもらいたいと思ったとき、データの受け渡しが面倒で嫌われるんじゃないか!?と思いました。
ちなみに次世代MSXプロジェクトというのは、直近だと2025年の年末にカンファレンスが行われています。
おっさん世代やエンジニア職に就いている人はSDカードに入れりゃいいじゃんの一言で論破完了ですし、2026年現在はSDカードにディスクイメージファイルでアクセスすりゃいいじゃん的な話で進んでいますが、ディスクイメージファイルのメンテナンスをスマホでやるのは相当困難です。今は幸いにしてWebブラウザでDSKファイルをメンテできる状態にはなっていますが。
でも…まさかのPCを所有していない(からSDカードにデータを読み書きできない)パターンがそれなりに多かったら「MSXでファイルを扱うためにまずはPCを買ってください」という案内はハードワークな気がします。AirPayのTVCMのようにキャッシュレス決済に対応しない店であると分かった客が「じゃ、いいです~」と言って去っていくみたいな光景がせっかく新しく登場するかもしれないMSXのハードウェアでも起きるかもしれない…と考えると怖くなりました。
既に鬼籍に入ってる人も居て高齢化が叫ばれる現在のMSXシーンにとって新しい人がジョインしないとコミュニティが再び死んでしまうので、個人的には若者の皆さんにも魅力を伝えていきたい(で、MSXのBSAVE画像データを作れるようになって欲しい)んですよね…
- MSXならドット絵(スプライト)が作れるし簡単に動かせるんですよね~(なお要プログラミング)
- MSX0を持ちながら、ほらーこんなに小さいデバイスの中がドット絵がちょこちょこ動くのかわいいと思うんですよね~(要プログラミング)
- こんどリリースされる新ハード「MSX2++」なら32768色使えるはずから色数に困ることもそんな無いと思いますよ~(なお今は地獄です)
…なんてアピールしながらせっかくだから若いクリエイターの皆さんにも手に取って欲しいと思っているのですけども。
スマホがストレージデバイス化しているのであれば、例えばMSXの「Aドライブ」が無線でスマホ内で管理されているような新しいソリューションが必要な気がします。MSXの無線カートリッジ+スマホアプリ(AppStore・GooglePlay)のような構成でしょうか。FlashAirは死んでしまったからあてにならないですし…MSX0 Remote Accessもちょっと違うかもしれない。
自分は技術が無いのでそんなデバイス作れませんが…MSX好きなエンジニアの皆さんムネンアトヲタノム…
かつて存在していたMSXの絵描きさんへご提案
かつてMSXでドット絵CGを描いていたり今でもMSXでドット絵を描いている方がいらっしゃいましたら、勇気を出して作品として表に出してみませんか?
即売会イベントに限らず、今はSNSやPixiv・dotpictといったWebプラットフォームが複数あり、雑誌投稿の時代とは比較にならないまま発表の場が多いです。また、'80年代・'90年代のアマチュアクリエイターのドット絵作品というものが意外にWebで見つからないためドット絵(もっと言えばコンピュータグラフィックス)文化の歴史として埋もれる可能性もあります。
自分は絵柄が古いから…なんて思いもありますが新しい価値と戦う必要もありません。当時はこういうものだったという歴史がクリエイターの間で情報共有されるだけでも有効であると今回のイベント出展でとても実感しました。
…というか、やっぱりジェネレーションギャップ(場違い)は感じるので、ブース出展料は俺が払うし共同出展や委託でもいい…単に心細いから同士の仲間が数人欲しいだけの理由でこれを書いています。
【注意】既存のマンガ・アニメ・ゲームのキャラクタを描いたドット絵より作家のオリジナル作品のほうが適切です。二次創作禁止のイベントもあります。「冬休みドット大作戦」は二次創作禁止です。
























