アメリカの特許を監視するNPO Public Patent Foundation(PUBPAT) が マイクロソフト の保有する FATファイルシステム特許 について正当性を見直すよう、米特許商標庁に 再審査を求めていた問題 で、米特許商標庁(USPTO) は6月11日、この請求を受け入れる方針を発表しました。
ITmediaの記事より:
PUBPATは先日、FATファイルシステムに関するMicrosoftの特許を見直すよう、米特許商標庁に請求。FATはコンピュータやデジタル端末間でのメディア交換に使われるストレージフォーマットで、Microsoftの記述では「コンピュータ間、および安価なリムーバブルフラッシュメモリの登場後はデジタル端末間でもメディアの相互交換に使われる、ユビキタスなフォーマット」となっている。
PUBPATは特許商標庁への請求の中で、この特許が維持されれば公衆に深刻な影響をもたらすと指摘、「フリーソフトのユーザーはMicrosoftが保有あるいはライセンスしているソフトを搭載したマシンやデバイスとメディアの交換ができなくなるため、この特許はフリーソフトの開発と利用の妨げになる可能性がある」と述べていた。
なんでこんな8bitの話題しか無い偏狭のblogサイトでこの話を出さなければならないかと申しますと…
【6.17更新】 MSX-DOS2に対する記述を追加しました。
そういやMSXはFATを採用してた!
西たん が ウン年前から構想中 の「1チップMSX」を含んだハードウェアを、本当に生産することになっちゃった場合、FAT特許が1チップMSX端末にも適応される 可能性があります。
皆さんご存知の通り、MSXはファイルシステムにFAT(FAT12)を採用しており、FATのおかげでMSXは今でもWindows PCとファイルの連携が取れるようになっています(CP/M互換+FAT12こそがMSXの底力だと唱える人も居る)。
過去にMSXが発売されていた頃はFATの特許料をメーカーから徴収するという契約がありませんでしたが、FATを採用するハードウェアをこれから生産・販売するなら、例えMSX(Microsoft-X)と言えどもデジカメ同様「1台○○円」というFATの特許料を払う必要がメーカーにはあるかも?というわけです。
まぁ、MSXが再生産されちゃった場合の話 ですけど(^^;。
FAT特許はMSXにも有効なの?
ただ、今回の話は、FAT特許の有効性を 見直すことを決めただけ なので、特許商標庁がもう一度見直してみて、やっぱり特許は有効と判断したら、MSXユーザーとしてはもう足掻くことはできません。また、現時点では特許が有効です。
しかし、Slashdot Japan の 関連ストーリー を読むと、特許の対象は「VFAT」以降で、FAT12、FAT16はVFATよりも前のシステムなので対象外かも?という記述もあります。
【6.17追記】 コメント欄にもありますが、MSX-DOS(1)は マイクロソフト の著作物ですので、ひょっとすると「お前のところで作ったOSじゃん」と反論すればなんとか切り抜けることが可能かもしれませんが、MSX-DOS2は完全に アスキー の著作物(現在は MSXアソシエーション の著作物なのかな?)ですので、反論はきびしいような気がします。
また、ハードウェア側の仕掛けである「BDOS」に関して言えば、これは著作者がマイクロソフトなのかアスキーなのか分かりません。共同著作物の扱いであればなおさら面倒です。
まぁ、FAT自体は特許に値する内容とは思いますが、個人的には後出しジャンケンじゃねーか汚ねーぞコラMSXなんだから見逃してくれよ〜 と思うのは身勝手でしょうか?
関連記事: ITmedia NEWS