家の中を漁ったら「BEE PACK」がなぜか大量に出てきたので、せっかくだからハドソンの 野球狂 で遊びました。
他機種版を忠実に移植したMSX版「野球狂」
パソコンがまだ「マイコン」と呼ばれていたような1980年代初頭。パソコン黎明期の当時、ハドソンソフトの「野球狂」は多くのPC向けに移植されて好評を得ていました。MSX版ではROMカートリッジではなくカセットテープでもなく、なぜか カード型メディア (BEE CARD)で登場、それに せっかくスプライトを使っている のに、他機種と同じく「キャラ動作のカクカク感」を味わうことができる忠実な移植となっております。僕は初めX1版で遊びましたが、それでも他機種に比べたらMSX版はスムーズに動いているとは思います。
音は、投げたり打ったりの効果音だけでBGMはありませんが、これも他機種版とほぼ同じ。まぁ音源はどこもかしこもPSGでCPUもZ80全盛の時代なら演奏ルーチンすら共通の可能性もありますけどね。
キーボードが付いているパソコンならではなのか、ゲーム自体は大したことないのに既に「チームエディット」機能が確立されていました。プリセットされているチームは2チーム。それも「セ・リーグ代表」と「パ・リーグ代表」で、しかもこの時代では珍しい 実名選手 です。登場する選手の名を見て懐かしさがこみ上げて来ますが、きっと日本野球連盟の許諾を取っていないに違いない!それにしても、あからさまにパ・リーグのほうが強くないですか!?
プレイボール。先行はセ・リーグ、後攻はパ・リーグに決め打ち。1プレイヤー時、先行か後攻かはランダムらしい。後攻になったほうが幸せ?
ダイヤモンド画面。他機種同様の2頭身キャラは特にフライを追いかける姿がカワイイ!MSX版ではスプライトの関係で全体的になんか白っぽいです。ゲーム中のほとんどの操作はカーソルキーだけで行えます。これは画期的。ってか、昔のPCだから複数キーの同時押しを判定できなかったからかもしれないですが。
バッティングはスペースキーだけ(MSX版ではジョイパッド使用可)。カーソルキーで立ち位置やスイングの軌道を変えたりすることも無理らしい。バットに当てるタイミングは本当にシビア。それと、打率で飛距離が変わるとも思えないです。ピッチングはカーソルキーの上下左右を計2回押します。1回目が球種、2回目がコントロール。投球の緩急がとにかく激しいので、速球のあとに本当は20km/hだろうと疑いたくなる90km/hくらいのスローボールを投げられるとタイミングを取るのがかなり難しいです。
守備はオートなのですが、しかし昔のゲームなので打球の追尾ルーチンがヘボで、いとも簡単にボールが後ろに抜けてゆきます。ボールを取ったら投げる塁のカーソルキーを押して返球しよう…って思っていたら、満塁ホームラン打たれた!(T_T)
PCゲー黎明期の良作
1984年という(ファミコンでは任天堂のベースボールが全盛の)時代背景を考えると、それより貧弱なパソコンで展開されていた「野球狂」は、昔のPCのハードスペックをよく理解してできるだけ気持ちよく遊べるような仕様を作り上げることに成功しており、2人同時プレイやチームエディットなどのちの野球ゲームの骨格に通じるなかなかの良作でありました。
このBEE PACKの群れ、どうしようかなぁ…。(^^; なんでカード型のメディアなんて作ったんだろ!?
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