今週のお題「今年買って良かったモノ」
【2022.04.02更新】私の所有する「Zenfone 8」もFMラジオ機能が搭載されていましたので更新します。
※当記事のオリジナルは、2015年12月2日 に公開されましたが、ちまちま更新しています。基本的には2015年12月時点の知識となっています。2022年現在は「ラジスマ」
愛用していたタブレット端末が故障し、代替目的で買ったSIMフリーのAndroidスマホが想像以上に良かったので、タイムリーな「ワイドFM」の話題を混ぜて紹介。
あっ、MSXとは関係ない記事です。
- ワイドFMとは
- スマホなら「radiko」もあるけどね
- ワイドFMにも対応!FM受信機能が搭載された「SIMフリースマホ」
- 使い方
- MVNOでの運用に最適
- インフラの二重化は有益。災害時にも役立つはず
- FMラジオアプリのアップデート希望(ZenFone 2 Laser、2015年12月2日)
- もう、買っちゃえ!誰も止めやしない!
ワイドFMとは
簡単に言うと、電波が入りにくくなった昨今のAMラジオ放送を、FMでも聴けるようにする「FM補完放送」の仕組みです。関東地方では、TBSラジオ・文化放送・ニッポン放送の3局が2015年12月7日(月)より放送開始されました。
放送局 | AM周波数 | FM周波数 |
---|---|---|
TBSラジオ | 954 kHz | 90.5 MHz |
文化放送 | 1134 kHz | 91.6 MHz |
ニッポン放送 | 1242 kHz | 93.0 MHz |
しかしこのワイドFM、新しい周波数(旧アナログテレビ 1~3chの帯域)に対応するラジオでなければ聴くことができません。「地デジ化」が実施された2011年7月以降に発売された受信機器でワイドFMを聴くなら、機器の買い替えが必要なケースがあります。
ワイドFM対応機器の一覧表はニッポン放送のサイトが一番詳しそうだが…やはり昭和な雰囲気が佇むのは否めない。
スマホなら「radiko」もあるけどね
今はスマホ全盛の2022年。4G LTEや5G通信によるストリーミングが当たり前のものとなり、誰でも生中継配信できてしまう。昔ながらのラジオは勢いを落とす中、スマホアプリ「radiko(ラジコ)」によってラジオの需要をかろうじてスマホ世代へ繋いでいるところ。
とは言え、通信速度を下げて通信コストを抑える「格安SIM」と、スペックを落として端末コストを抑える「SIMフリースマホ」がじわじわと普及しつつあります。これまでのスマホ利用では金銭的負担が大きく、性能はそこそこだが低価格でスマホを利用したい人達に好まれている。格安航空会社(LCC)と既存の航空会社(FSC)の違い、みたいなもの。
ワイドFMにも対応!FM受信機能が搭載された「SIMフリースマホ」
日本では珍しいものの海外ではFMラジオ放送の受信機能が搭載されているAndroidスマホがいろいろあります。日本のような高速モバイル通信がまだ整備されていない諸外国では、FMラジオも重要な情報インフラの一つです。
そんな折、日本でも普及し始めたSIMフリースマホで、FM放送が受信できる端末が2015年に発売されました。ASUS製のSIMフリースマートフォン「ZenFone」シリーズ。
名称 | 型番 | 発売日 | ラジスマ | 備考 |
---|---|---|---|---|
Zenfone 8 | ZA590KS | 2021/08 | 非対応 | - |
ZenFone 6 | ZS630KL | 2019/08 | 対応 | - |
ZenFone 5Z | ZS620KL | 2018/06 | 非対応 | - |
ZenFone 5 | A500KL | 2018/05 | 非対応 | - |
ZenFone Zoom | ZX551ML | 2017/06 | 非対応 | - |
ZenFone 3 | ZE520KL | 2016/10 | 非対応 | システム更新でワイドFM対応 |
ZenFone Go | ZB551KL | 2016/04 | 非対応 | - |
ZenFone Selfie | ZD551KL | 2015/09 | 非対応 | - |
Zenfone 2 Laser | ZE500KL | 2015/08 | 非対応 | システム更新でワイドFM対応 |
Zenfone 2 | ZE551ML | 2015/04 | 非対応 | - |
- 他のZenFone シリーズにもFMラジオ受信機能があるかもしれませんが未確認です
私はZenFone 2 Laserを購入(後に5Z、8も購入しました)。いやー、これは2015年買って良かったものの一つとなった。
(補足)ASUS製品以外にも以下のようなスマホがFMラジオの受信に対応しているようです。
- nuu mobile製 SIMフリー スマートフォンの一部機種。Nuu X4 ※ワイドFM対応!
- FREETEL製 SIMフリー スマートフォンの一部機種。SAMURAI REI, MIYABI, priori2 3G, Simple 等
- ソニー製「Xperia」シリーズの一部機種。Z3, Z4, Z5 等
- HTC製スマートフォンの一部機種
※SIMフリーか否かはここでは言及しません。また、SIMの利用国によって対応する帯域が変化し、ワイドFM使用可能・不可能が変わるようです。ご自分の目で確かめてください。
「ラジスマ」の登場(2022年4月2日)
「radiko+FM放送」のハイブリッド視聴アプリに対応するAndroid端末を「ラジスマ」対応機種と呼ぶようです。民法ラジオ各局のキャンペーンとしても展開されています。シャープのAQUOSシリーズが「ラジスマ」の筆頭機種となっています。
ちなみに、FMラジオ受信機能が無い端末でも、「ラジスマ」非対応機種でも、radikoの視聴アプリとして利用できます。
使い方
イヤホンケーブルを用意
ZenFone シリーズのスマホでFM放送を聴くには、まず先に何かしらイヤホンケーブルをスマホに繋げる必要がある。イヤホンケーブルがアンテナ代わり。その後、専用アプリを起動し、チューニングします。
この仕掛けにより、USB Type-C端子やBluetooth経由でイヤホンに接続するスマートフォンではFMラジオの電波を受信できない仕様です。
「FMラジオ」アプリを起動
ZenFone シリーズにプリインストールされている「FMラジオ」アプリを起動します。
このとき、イヤホンを接続していないとアプリが警告を出して起動しませせん。
起動後の画面はこんな感じ。アイコンを見れば何をタップすれば何ができるかはおよそ想像できると思います。
ワイドFMに対応する帯域のリージョンへ変更(ワイドFM非対応機種の場合)
「帯域の選択」で「日本」から「ヨーロッパ」へ変更すると、ワイドFMが受信可能となる。「日本」の設定ではワイドFMの周波数に届かない。
リージョン | 対応周波数 | ワイドFM |
---|---|---|
デフォルト | 76.0~90.0 MHz | 非対応 |
ヨーロッパ | 87.5~108.0 MHz | 対応 |
アメリカ | 87.5~107.9 MHz | 非対応!? |
日本 | 76.0~90.0 MHz | 非対応 |
一見「アメリカ」の周波数でもワイドFMを受信できそうな気がするが、アメリカの周波数は0.2MHz単位で奇数と決められており、日本で周波数の末尾が偶数な局は受信できない。「アメリカ」より、0.1MHz単位でチューニングできる「ヨーロッパ」設定のほうが都合がよろしいかと。
既存のFM局を受信する際は「日本」を選択する。やや面倒くさいが、そういう仕様である。
【2016.10.06 更新】ZenFone シリーズの場合、システムアップデートを行うと、日本の設定で「ワイドFM」対応になる機種があります。(後述)
チューニング
左右の▲アイコンをタップすれば、周波数を増減できる。更新マークっぽいアイコンをタップすると、受信可能な周波数をスキャン(一括検索)する。
受信できる周波数は、画面下部に一覧表示される。ここをタップしてチャンネルを切り替えることもできる。
お気に入りの周波数を保存
専用アプリでは、お気に入りの周波数を5件まで登録することも可能。既存のFM局と合わせたら最早5件じゃ足りねーよ!
MVNOでの運用に最適
ぶっちゃけ、radikoがあればワイドFMは不要である。なにしろ、FMラジオなんていう前世紀の代物など当然対応しないApple様のiPhoneは、日本での普及率がダントツの6割ですし、FMラジオ搭載機能が付いたスマホユーザー自体が珍しい。
だが待って欲しい。radikoアプリを常用すれば大量のパケット通信が発生し、パケット通信量や通信料金に影響を与えてしまう。MVNOを使うような節約家の方々なら、パケ消費量の高いアプリは利用を躊躇するのではありませんか?
わざわざモバイル通信を発生させてパケットを消費しなくても無料でFM放送を受信できるのだから、MVNOを使うような節約家の方々にピッタリではありませんか?
イヤホンは本体に付属するので無料。ラジオを聴くためのパケット通信も不要で、無料。radikoのインストールも不要。radikoで発生する「放送のタイムラグ」や「著作権対策による内容差し替えや無音状態」も、FM放送では発生しない。最高じゃないか!
インフラの二重化は有益。災害時にも役立つはず
FM放送と4G LTEや5Gの両方とも使えることは海外はもとより日本国内でも有用です。
FM放送の受信状況が悪ければradikoを使えば聴けるだろうし、モバイル回線が使用不能になったり通信制限が発生するようなケースではFM放送に切り替えて聴ける。インフラの二重化は特に災害時に役立ってくれるだろうと思います。
インフラをどちらか一つに決めて使う必要も無い。せっかく両方使えるのだから、用途に応じて両方使えば良い!!
FMラジオアプリのアップデート希望(ZenFone 2 Laser、2015年12月2日)
本当なら既存局と新局の両方をカバーする「日本の新しい周波数」に対応したアプリのアップデートが欲しいところだが…これは難しいですかなぁ。ZenFone 2 Laserの場合「FMラジオ」アプリはGoogle Playに登録されておらず、OSやファームウェアのアップデートに期待するしかない。
リージョンの切り替え作業無しで全て聴けるのが理想なんですけどね…ASUSさん、なんとかなりませんか!?
【2016.10.06 更新】システムアップデートで「ワイドFM」対応に!
10月のシステムアップデートにより、日本の設定だけで「ワイドFM」ラジオが聴けるようになりました!もし ZenFone シリーズの機種をお持ちの方は、これを期にアップデートしてみてはいかがでしょうか?
Zenfone 2 Laser の本日のアップデートをうっかり実施してみたら「FMラジオ」アプリで地域を「日本」の状態でワイドFMの周波数が拾えるようになってるぞ!俺得機能!!ラジオ好きの皆さんお試しあれ! pic.twitter.com/4IacZZFJfK
— Takashi Kobayashi (@nf_ban) 2016年10月7日
【2016.10.07 更新】ZenFone 3のFMラジオアプリも「ワイドFM」対応に!
ASUSのフラグシップモデル「ZenFone 3」のFMラジオアプリも「ワイドFM」対応である旨が発表されました!
ZenFone 3でも対応しておりますよ^^
— ASUS JAPAN (@ASUSJapan) 2016年10月7日
もう、買っちゃえ!誰も止めやしない!
「ワイドFM」と「SIMフリースマホ」、どちらにも興味があるなら「ZenFone シリーズ」のAndroidデバイスは本当にオススメです。ワイドFMを聴きたいからSIMフリースマホを購入したって、手段と目的がめちゃくちゃだけど、別にいいじゃないですか!