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MSX用イーサネットカートリッジを開発中

LAN

通信という技術に関しては全く向いていないMSXパソコンを、現在最も普及している通信インフラ「Ethernet」へ繋げる無謀且つ壮大なロマンを抱く人は、国内外問わず今でも結構いらっしゃいます(僕もですよ!)。そんな中、MSX Resource Center は8月15日、海外で「ObsoNET」なるEthernetカートリッジを開発中、と発表しました。

LANコントローラ用LSIに「蟹さんチップ」でお馴染みRealtekの「RTL8019AS」を採用。接続方式は10Base-Tで、MSX標準のカートリッジサイズ(海外では「コナミカートリッジサイズ」と呼ばれます)で提供。BIOSFlashメモリ上に格納しアップグレード可能。このFlashは起動ドライブにもなるらしく、MSX-DOS2や周辺アプリなどを入れておくことができるそうです。

スペイン(!?)の2人のエンジニアによって目下開発中の「ObsoNET」、10月31日のBarcelona meeting上で20枚ほどの販売を予定しており、そのお値段はなんと 40ユーロ)(約5,400円)くらい!?マジですか!ちょいと安すぎやしませんか!

【2004.8.20更新】ObsoNETの公式サイトができました。→ こちら。基板の写真付き!

このカートリッジが UZIX などと連携すると面白ハードになる予感がします(UZIX側もカートリッジを開発してたっけ?)が、それでも気になることはありますよ…。

ハードはソフトが無ければただの箱?

ハードウェア的には特に問題ないと思います。MSXの通信カートリッジの経緯を見ても 9600bps(RS232Cカートリッジ) → 38400bps(MSX SERIAL-232) → 921600bps(はるかぜ) という風に、設計が新しくなれば通信速度も安定性も上がることは間違いないと思われますし、RTL8019ASは 非常に便利な1チップNIC で、他のMSXEthernetプロジェクトでも採用されていますので、MSXで扱うにはお手頃なんでしょう。

しかしソフトウェアは非常に興味があります(というか一抹の不安)。日本国内でもいくつかMSXEthernetカートリッジの開発が進んでいましたが、BIOSなどのソフトウェアを書く案件のところで、残念ながら開発がことごとく止まってしまいました。特にTCP/IPMSXでどうサービスするのか?がエンジニアさんの腕にかかっています。

BIOSの他にも「買ってすぐ使える」環境も必要です。例えばWindowsネットワークで共有できるようにするとか、FTPクライアント(サーバ)などのアプリケーションはやはり必要になるでしょうし、MSX-BASICとの親和性を高めるのであれば、BIOSに拡張BASICを組み込む必要があります。

ドシロウトを相手にできない製品は誰も使わない ことは歴史が証明しています。BIOSや周辺アプリの開発をひたすら頑張って欲しいと思います。

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